私がビジネスで学んだ中で、「なるほど」というもの

今回はその話を紹介したい。

わたしの回りでは、原価がわかるものを売っている人や店が多い。
例えば、焼き鳥屋でも洋食店でも、とんでもなく高い店はあまり見かけない。
どのコンビニに行っても、どのスーパーもさほど変わらない価格である。
あの店は賑わっていると聞いて行ってみると値段が他店よりも安い。

ネットの世界ではどうだろう。
売られているものは、価格がすぐに調べられる。
欲しいものがあれば、「価格.com」で調べれば安い順番に並んでいる。

同じメーカーのパソコンが、ボールペンが、帽子や靴が安い順に並んでいる。
買う側にとって、こんなに便利で有難いことはない。
同じメーカーのものなら安い方がいいに決まっているからだ。

さて、私が学んだ先生(※1)から、こんな「秘密」を教えてもらった。
情報化時代で大事なことは、「原価のわかるものをつくってはいけない。」、と。
「原価のわかるものを売ってはいけないよ。」、と。

儲かっている会社や人は、「原価のわからないものをつくっているのです。」、と。
例えば、大学の入試。今、文系の大学を受けるとしたら、私大で、3万~3万5000円かかる。3カ所受けたら約10万円だ。

1つの(学部)大学を受験したら、3教科として、1教科の採点料が1万円になる。
採点に何分かかるだろう。1教科15分としたら、時給は3万円を超える。
生徒の多いマンモス大学は、ぼろ儲けの商売なのだ。だって、原価は紙代と先生の給与、試験監督料、暖房代などしかかからない。しかも、偉そうに威張っておられる。

また、お寺さんもぼろ儲けだ。南無阿弥陀仏のお経代と戒名料で20万とか50万。あんなひどいものはない。まけてくれとも言えないし、お布施という原価の見えない方法だから仕方がない。

さて、ここで気付かれたと思うが、あなたがやっておられるのは、原価が見える仕事だろうか?もし、原価計算ができる仕事だったら、これからも厳しいだろう。

だから、ここであなたに提案する。
「原価のわからないもの」をつくる(考える)のである。
私は、大企業に企画を提案していた時期があった。その企画料は、とんでもなく高いものであった。高くしたのは、企画の中に、計算できないものを入れていたからだ。
担当者は、計算できないものを入れていたら、内容さえよかったら何も言わない。

大企業は、原価なんて考えない。だから、原価のわからないものをしのばせておくのだ。
これからの時代は、原価のわかるものをつくってはいけない。それが、儲けのコツなのです。

(※1)清水龍瑩