子供の頃、膝を擦りむいて遊んでいた。
このお山の大将は、今読んだらよくわかる。
西条八十という詩人は、14歳で父を失い、
貧困の青春を過ごしたと聞く。
てんぷら屋で失敗し、印刷屋をやってつぶれたり
の日々もあったとか。

お山の大将

お山の大将 おれひとり
あとから来るもの つきおとせ
ころげて落ちて またのぼる
あかい夕日の 丘の上

子供四人が 青草に
あそびつかれて 散りゆけば
お山の大将 月ひとつ
あとから来るもの 夜ばかり

(西條八十)